神戸国際大付 青木監督が攻めの采配で好投手攻略「たまたま勝たせてもらった」

 力投する神戸国際大付・阪上(撮影・北村雅宏)
 力投する神戸国際大付・楠本(撮影・吉澤敬太)
 10回、北海・木村は神戸国際大付・関にサヨナラ打を浴び、ガックリする(撮影・北村雅宏)
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 「選抜高校野球・1回戦、神戸国際大付3-2北海」(19日、甲子園球場)

 2年ぶりのセンバツが開幕した。初戦から延長に突入する好ゲームになったが、最後は神戸国際大付が北海のプロ注目左腕・木村大成投手を攻略。ナインの執念と、青木尚龍監督が見せた攻めの采配が勝敗を分けた。

 勝負は146球目に決まった。延長十回、1死満塁の好機。打席に立った5番・関悠人外野手は、1ボールからの2球目、134キロの直球を振り抜いた。途中出場で、この試合のファーストスイング。迷いない打撃にチームの姿勢が見えた。

 試合後、青木監督は「この大会は特別な大会。勝ち負けは、たまたまウチが勝たせてもらったが、いい試合ができてよかった」と振り返った。好投手に対して、「膝元にくる変化球は捨てろ」と指示。その上でストレート狙いを徹底させた。

 試合は序盤から北海が有利に進めた。二回2死満塁から押し出し四球で先制すると、五回には2本の二塁打で追加点。神戸国際大付きは六回、2死から3連打で1点を返すと土壇場の九回だった。

 1死一、三塁、カウント1-1からスクイズを仕掛ける。打者の武本琉聖投手はワンバウンドの球に空振りしたが、投球を捕手がはじく間にスタートを切っていた三走・坂本陽飛内野手が生還。記録は本盗となり、土壇場で同点に追い付いた。初回、この日最速の146キロを計測した木村の直球は終盤、疲労からから130キロ中盤まで落ちていた。

 攻撃だけではなく、守りでも攻めの采配だった。二回、2死満塁のピンチで先発の阪上翔也投手から、「春からすごく成長した」と、楠本晴紀投手にスイッチ。2年生左腕が試合を立て直すと、疲れが見えた九回2死二塁で3番手に武本琉聖投手を起用し、ピンチを脱していた。

 実に15人の選手をグラウンドに送り出し、全員野球でつかんだサヨナラ。北海の平川敦監督が「粘りがすごかったです」と唇をかめば、青木監督は「このチームはそういうチーム。ベンチ入りのメンバーみんなが力を出してくれた。ですから、ここ(甲子園)にきていると思う」と胸を張った。

 勝った神戸国際大付は、明徳義塾-仙台育英の勝者と2回戦を戦う。

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