コロナ禍のセンバツは…開会式参加6校、伝令もマスク、ブラバン演奏は録音
「選抜高校野球・1回戦」(19日、甲子園球場)
2年ぶりのセンバツ大会が開幕した。依然として、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、“ウィズ・コロナ”の大会として初戦から、さまざま新様式が設けられた。
密を避けるために簡素化された開会式は、初日に出場する6校のみの参加。行進の途中では、残り26校が自校グラウンドで事前に収録した行進の映像がビジョンに映し出された。スタンド入り口には送風機が置かれ、係員がマスク着用を促すボードを首にかける。
試合中、両チームの監督や控え選手はマスクを着用。各試合、ピンチで登場する伝令も、マウンドに向かう際は、マスクを着用して監督の指示を伝えた。 観客は1万人など、さまざまな制限が設けられる中、大会本部の工夫も熱戦を支えた。今大会は新型コロナウイルス感染症対策で、吹奏楽部による演奏の応援が禁止。各校の要望にも応える形で、大会を運営する日本高校野球連盟は、ブラスバンドの演奏を録音し、アルプスに流す方法を採った。
出場する各校の吹奏楽部などが演奏する音源が主だが、中にはスケジュールの都合や部がないなど、録音できないケースも出ている。そこで高野連は音源のない学校のために、兵庫・尼崎市立尼崎高校吹奏楽部に依頼。自由に音源を利用することができるという。
実際に、この日は北海や、下関国際らが使用した。音源のスイッチングや再生などのタイミングは、大会本部が行っている。定番の「狙いうち」や「タッチ」「紅」などが球場に響き、テレビの音声としても流れた。
生音に近い演奏に勘違いした人も多く、ネットでは「なぜ?」、「ブラスバンド…びっくり」、「え、感染対策は?」などざわついたが、中継するNHKで実況アナウンサーが繰り返し、「事前に録音した応援曲を流しています」と説明すると、「スピーカーとは思えないほどの音質」、「やっぱりブラバンはいいなあ」、「やるじゃん高野連!!」など、好意的な声が多数寄せられていた。
仙台育英の主将・島貫丞内野手(3年)による「感謝、感動、希望」をテーマにした宣誓から始まった今大会。新様式で迎えた初戦から、神戸国際大付-北海は延長戦の末に神戸国際大が3-2で勝利すると、第2試合は仙台育英が1-0のロースコアで明徳義塾戦を下した。第3試合は健大高崎で6-2で勝利したが、敗れた下関国際も最終回、2点を返すなど意地を見せた。