仙台育英 2年ぶりの甲子園、2年分の甲子園

 2回、左前に先制打を放つ仙台育英・遠藤(撮影・吉澤敬太)
 力投する仙台育英・古川(撮影・吉澤敬太)
 9回、最後を締めた仙台育英・伊藤は笑顔を見せる(撮影・北村雅宏)
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 「選抜高校野球・1回戦、仙台育英1-0明徳義塾」(19日、甲子園球場)

 仙台育英が1点を守り切り、難敵の明徳義塾に競り勝った。6年ぶりの春1勝に、須惠航監督は「いろんな思いがありました。卒業した3年生をここに立たせてやりたかった」と言葉を詰まらせた。

 試合は二回、5番の秋山俊外野手(3年)が、遊撃内野安打で出塁。悪送球も絡んで二塁に進むと、続く遠藤太胡外野手(2年)の打席でエンドランを仕掛ける。左前適時打で先制すると、守っては四回途中まで力投していた古川翼投手(2年)から、エース伊藤樹投手(3年)に早めの継投。明徳打線をわずか1安打に抑え込み、1-0の試合を制した。

 記録上では、2年連続14回目の出場。だが昨年の大会は、新型コロナウイルスの影響で中止になり、夏に交流試合が開催されただけだった。東日本大震災から10年。選手宣誓の大役を務めた島貫丞主将(3年)は、「感謝」「感動」「希望」の言葉を届けた。

 「2年分の甲子園。一投一打に多くの思いを込めて、プレーすることを誓います」

 主将の言葉に、須惠監督も「チームもあらためて結束した。がっといい雰囲気になりましたね。試合の入りとしてエネルギーをもらった」と振り返る。

 「手前味噌ですが、立派な選手宣誓でした。さまざまな思いを乗せてくれた。卒業の3年生をここに立たせたかった。もしかしたら、昨年のキャプテンが選手宣誓をしていたのかなと、いろんな思いがありましたね」

 チーム一丸で手にした1勝。悲願の春頂点に向けて好スタートを切った。殊勲の遠藤は試合後、「できすぎです。甲子園というのは、自分の気持ちを奮い立たせてくれる。自分の力以上のものが出た。球場の雰囲気に助けてもらいました」と、“無形の力”に感謝した。2年ぶりの甲子園は、2年分の甲子園。聖地にもようやく活気が戻ってきた。

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