健大高崎・高松 公式戦初先発も七色の変化球で令和センバツ初完投
「選抜高校野球・1回戦、高崎健康福祉大高崎6-2下関国際」(19日、甲子園球場)
1回戦3試合が行われ、高崎健康福祉大高崎・高松将斗投手(3年)が9回3安打2失点で完投勝ち一番乗りを果たした。仙台育英はプロ注目の伊藤樹投手(3年)が5回1/3を無失点の好救援で完封リレーに貢献。明徳義塾・馬淵史郎監督(65)の歴代単独4位となる甲子園春夏通算52勝目はならなかった。
チームカラーの“機動破壊”でもなければ、高校通算230発超の強打でもない。健大高崎が投手力で初戦を突破した。大舞台での背番号1を勝ち取った高松が躍動。「自分のテンポで、自分のリズムでできた」。公式戦初先発にして初完投。令和初となるセンバツで、最初に一人で1試合を投げ勝った。
七色の変化球で相手打線に的を絞らせなかった。昨秋に習得したカットボールや、縦に落ちるスライダーを軸にほんろう。最終回に崩れてセンバツでの“令和初完封”こそ逃したが、115球で快勝をもたらした。
野球が好きだから、ずっとマウンドにいたい-。幼い頃からグラブは肌身離さず、大切にする。中学時代には先生の許可を得て修学旅行に持っていったほど。これまでは試合を締める役割を担っていたが、「先発というのはやりたかったポジション」と冬場にスタミナを強化。聖地の“開幕投手”を任されるまでに成長した。
家族からの支えも力になっている。実家は先祖代々続く米農家。千葉県産コシヒカリを育てており、補食用にチームにも寄付してもらっている。幼い頃から“自家製”の米や餅がエネルギー源だ。アルプス席で観戦した父・裕さん(45)は「感激です」と喜びもひとしお。右腕が快投で親孝行もかなえた。