鳥取城北 昨秋はメンバー外の中木村が勝利導く 珍しい“なかきむら”姓にも注目集まる
「選抜高校野球・1回戦、三島南-鳥取城北」(20日、甲子園球場)
鳥取城北が転勝ちで三島南を下し、春のセンバツ初勝利を手にした。逆転勝利を導いたのは、昨秋の県大会でもメンバー外だった中木村連次郎内野手(3年)。全国的にも珍しい“なかきむら”姓の大活躍に「名前、カッコよすぎん?」、「中木村くんの名前は覚えた!!」など、ネットでは話題沸騰となった。
試合は二回、21世紀枠の出場で、創部100年目にして甲子園初出場の三島南が二回、冨岡創内野手(2年)の左犠飛で先制。聖地に初得点を刻むと、エースの植松麟之介投手(2年)は緩急を駆使して、序盤の鳥取城北打線を抑え込んだ。
それでも五回、1死から広田周佑投手(3年)が三塁内野安打で出塁。松田龍太内野手(3年)が右前打で続くと、一、二塁の好機で、昨秋の県大会ではベンチ入りしていなかった中木村連次郎内野手(3年)が、「事前にビデオで相手の守備を確認していた」と、意表を突くセーフティーバント。処理に焦った植松が一塁に悪送球する間に、一走の松田が逆転のホームを踏んだ。
中木村は初回に左前打、九回には左翼線を襲う適時打三塁打と、3安打1打点の大活躍だった。昨秋メンバー外からの抜てきに、山木博之監督も「コツコツ、すごく真面目で一生懸命な子。100点のプレーをしてくれた。すごく僕もうれしいです」と目尻を下げる。
中木村姓は全国に200世帯ほどで、兵庫県、大阪府に多い名字とされている。連次郎の名前も珍しいが、中木村は「父が武将にちなんだ名前にしたかったみたいです」と笑う。鳥取城北にとっては待望のセンバツ初勝利。昨年も出場権を得ていただけに、殊勲の男は「昨年の3年生の分も、勝ててよかったです」と喜んでいた。