中日・福留、代打でOP戦1号「ひと振りで仕留めらたのはプラス」
「オープン戦、中日9-2日本ハム」(21日、バンテリンドーム)
ひと振りで十分だった。ボールを捉えた手応えでスタンドインを確信した中日・福留が、バットを宙に放って走りだす。そして鋭いライナーが右翼席にズドン。竜党が待ちに待った姿だった。
待望のオープン戦初安打が価値ある一発になった。六回2死二塁から代打で登場すると、カウント2-1からの4球目、甘いスライダーを見逃さなかった。オープン戦1号2ラン。日米通算2407安打の球界最年長が、この日一番の拍手を呼び起こした。
「きょうは代打のつもりで、そういう(チャンスの)場面もあるという中で、最初のひと振りで仕留められたというのは、本当にプラスになる」
やや足早にダイヤモンドを一周し「たまには走っておかないと。老化防止です」とややおどけた一言は、照れ隠しじゃない。2軍読谷組で過ごしたキャンプから、暇さえあればグラウンドで、陸上競技場で走った。4月に44歳を迎えるベテランは、代打の切り札に満足するわけがない。スタメンでグラウンドへ立つための準備を愚直に重ねてきた。
まずは代打での一発回答に、与田監督は「勝負強さを期待していますし、ベテランがね、いい刺激を与えてくれた」。どんな役割でも柔軟に。福留が力強く竜の背中を押し、3・26開幕に向かう。