具志川商、勝利の裏に分析力 脳性まひの山城マネジャーがプロ注目右腕攻略法伝授

 アルプスからエールを送る山城マネジャー(撮影・永井優花)
 初戦を突破し、笑顔でスタンドに向かう具志川商ナイン(撮影・伊藤笙子)
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 「選抜高校野球・1回戦、具志川商-八戸西」(22日、甲子園球場)

 初出場の具志川商が、八戸西との史上3度目の21世紀枠対決を制し、初勝利を挙げた。八戸西のプロ注目の右腕、福島連投手(3年)を、武器となる足攻めで攻略。記念すべき1勝の裏に、マネージャー・山城来(らい)君(3年)の分析力があった。

 試合は二回、1死一塁の場面で、7番・知名椋平内野手(3年)がエンドラン。足で一、三塁の好機を作ると、さらに二盗を決めて二、三塁。続く上原守凜外野手(3年)が中前適時打を放ち、“足攻”で2点を先制した。さらに相手守備のミスも誘い、この回3得点。喜舎場正太監督が「先制点が大事だと思っていた」と振り返ったように、その後は有利に試合を進めた。

 この日は3盗塁にエンドラン、4失策を誘う積極的な走塁が目立った。「力対力で全国で勝つのは難しい」(喜舎場正太監督)と、チームで徹底してきた姿だが、この野球を支えたのが山城マネージャーだった。脳性まひで、幼い頃から車いすで生活。これまでに3度の手術も経験している。

 それでも、チームにとって欠かせない部員。役割は対戦校の分析で、県大会前には相手チームの練習試合などに出向いて動画を撮影したり、打球方向や配球を分析してナインに伝える重要な仕事を任されている。この試合前は、プロ注目の右腕、福島投手を分析。前夜のミーティングで「追い込まれたらスプリットなど、縦の変化が多い」という配球の傾向や、「ボールを長く持ったらけん制はない」などをナインに伝えた。

 主将の粟国陸斗内野手(3年)は、「来は、対戦相手が決まる前から全チームを調べてくれた。来のためにもしっかり頑張ろうと思っていた。本当に大きな存在です」と感謝。「夕食の時は同じテーブルなので。きょうの夜は一緒に喜びたいです」と笑った。

 チームのモットーでもある「組織力」「全員野球」でつかんだ1勝。喜舎場監督は「21世紀枠で出場が決まってから、県民の盛り上がりは肌で感じていました。プレッシャーに感じず、力に変えよう。勇気と感動を与えようち話してきた。全員でつかんだ勝利です」と胸を張った。

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