大崎、初聖地は惜敗 清水監督「恩返しできず残念」大島の住民に勝利届けられず
「選抜高校野球・1回戦、福岡大大濠2-1大崎」(22日、甲子園球場)
人口約5000人の長崎県大島の住民に、甲子園初勝利という贈り物を届けることはできなかった。春夏通じて初めて聖地を踏んだ大崎の清水央彦監督(50)は、惜敗にも「応援してくれた人に恩返しができなくて残念の一言」と唇をかんだ。
二つのミスが致命傷となった。二回、失策からピンチを広げて2点を失うと、七回、1点を返しなおも2死一、二塁の同点機では、飛び出した二塁走者が捕手のけん制に刺された。
「ミスで負けた。2人とも2年生で仕方ないけれど」と清水監督。2018年、廃部寸前だった大崎の野球部監督に就任した。同県西海市長らが高齢化と過疎化に悩む町に元気をと願い、島民も農作物や肉、魚などの食材を差し入れし、物心両面で選手を応援した。
指揮官の熱意と島の人たちの思いが結実し、3年足らずでたどり着いた甲子園の舞台。エース・坂本安司投手(3年)は「夏までに(甲子園で)勝つチームに仕上げたい」。恩返しの1勝は夏の聖地でつかむ。