市和歌山・小園 完封一番乗り!4安打8K スカウト陣絶賛の“甲子園デビュー”
「選抜高校野球・1回戦、市和歌山1-0県岐阜商」(23日、甲子園球場)
1回戦3試合が行われ、今秋ドラフト上位候補で最速152キロ右腕・市和歌山(和歌山)の小園健太投手(3年)が、甲子園デビュー戦で今大会完封勝利一番乗りを果たした。
堂々たる“甲子園デビュー”だ。大会No.1投手の呼び声高い市和歌山・小園が、名門・県岐阜商相手に4安打8三振で今大会完封一番乗り。サヨナラの瞬間は、ネクストバッターズサークルで雄たけびをあげた。
「想像以上に1点を争う展開だったので、絶対にこっちが取るまでは点を与えないぞ、という気持ちでした」
四回までは持ち味の制球が定まらず、毎回得点圏に走者を置く苦しい展開が続いた。「最初はすごく広くて戸惑った」と慣れない聖地のマウンドに緊張しながらも、三回1死二、三塁のピンチではギアを上げ、2者連続三振に。
八回には、連続四球を与えるなど小園らしからぬ姿を見せたが、それでもこの日最速147キロの直球とスライダーを軸に、多彩な配球で相手を翻弄(ほんろう)。冬のウエートトレで鍛え上げられた体は、最後まで疲れを感じさせなかった。
阪神・渡辺スカウトは「全体的によかった。ランナー、バッターを見て投げられる能力がある」と評価。他球団のスカウト陣もこぞって絶賛した。
中1からバッテリーを組む相棒の言葉にも救われた。「松川に『絶対大丈夫、オレらが点取るから』と言われて、0-0というしんどさがなくなった」。大会前には新調した帽子に、『ニコイチ』(2人で一つの意)という文字と、ニコちゃんマークをお互いに書き合った。
2人で、笑顔で、日本一へ-。誓った夢をかなえるべく、次もその黄金の右腕を振るう。