聖カタリナ学園 敗戦を糧に常勝の道へ 桜井2被弾…初戦で涙も確かな一歩  

 試合後、涙を流す聖カタリナ・川口(中央)=撮影・伊藤笙子
 力投する桜井
2枚

 「選抜高校野球・1回戦、東海大菅生4-3聖カタリナ学園」(24日、甲子園球場)

 1回戦が行われ、初出場の聖カタリナ学園(愛媛)は、東海大菅生(東京)に敗れ、初戦で姿を消した。エース・桜井頼之介投手(3年)は、2本塁打を打たれるなど、8回4失点。打線も3点は取ったものの適時打はゼロ。投打に課題の残った春を終えて、夏へ向けて再スタートを切る。

 2点を返して1点差に迫った九回2死満塁。絶好機で三ゴロに倒れた4番・川口翔大内野手(3年)は、一塁ベースまでたどり着けず、立ち止まり膝に手をつき、がっくりとうなだれた。

 創部から一貫して「打ち勝つ野球」を掲げ、この日は東京都王者・東海大菅生の6安打より多い7安打を放った。ビハインドの展開でも粘り強くチャンスを作り出したが、適時打はゼロ。あと一本が出なかった。

 川口は4番として敗戦の責任を背負い、ベンチ前では何度も目をぬぐい、オンライン会見でも目を真っ赤に腫らした。「この借りを夏に返す。その気持ちでいっぱいです」と決意を込めた。

 初めての聖地、人数制限があるとはいえ6500人の観衆を前にしての試合は、やはり勝手が違った。川口は自分を含めてチームに硬さを感じていたという。2本塁打を浴びた桜井頼之介投手(3年)も「(甲子園は)思っていたよりも広く見えた。球場の圧に押されてしまった」と話す。大舞台でもブレないメンタルも、夏への課題の一つだ。

 4月で創部から6年目を迎える。越智良平監督(40)が「甲子園という素晴らしい球場で、いい顔をして野球をしてくれた」と話すように、初の全国の舞台で確かな一歩目を踏み出した。主将の小沢武門内野手(3年)は「1勝でも多く勝って、代々受け継いでいきたかった。夏に帰ってこないといけない」と誓う。敗戦の悔しさを腫らすため、後輩たちへ常勝の伝統を築くためにも、必ずここに帰ってくる。

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