中京大中京「努力が目に浮かんだ」昨秋ランナーコーチャーの櫛田が殊勲のランニング弾

 7回中京大中京2死二塁、櫛田理貴は先制ランニング2ランを放ち、本塁へ滑りこむ(撮影・吉澤敬太)
 完封勝利を挙げ、ほえる中京大中京・畔柳亨丞(撮影・吉澤敬太)
 中京大中京-専大松戸 7回、先制となるランニングホームランを放つ中京大中京・櫛田(撮影・北村雅宏)
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 「選抜高校野球・1回戦、中京大中京2-0専大松戸」(25日、甲子園球場)

 古豪・中京大中京がエースの踏ん張りとランニングホームランで11年ぶりの春1勝を挙げた。センバツ通算56勝とし、同じ愛知の東邦と並んだ。

 エース右腕の畔柳亨丞投手(3年)は「7回まで緊張していた」と言いながら12三振を奪い、6安打完封。終盤に入っても球威は衰えるどころか、勢いを増し、最速147キロを計測した。

 貴重な決勝点は途中出場した櫛田理貴外野手(3年)のバットから生まれた。7回2死二塁で左翼前へライナーを放つと、飛び込んだ左翼手のクラブをすり抜け、打球はフェンス際へ転々。ランニングホームランとなった。

 昨秋は三塁コーチャー。高橋監督に「三塁コーチャーでいくか、選手として勝負するか」と問われ、「勝負したい」と伝えたという。努力が実り、センバツ直前にベンチ入りが決定した。

 「入学してからずっと、限られたチャンスをものにしようとやってきた」と胸を張った櫛田。劇的な一打に、「三塁コーチャーが必死に腕を回してくれたので思い切って走れました」とチームメートに感謝した。高橋源一郎監督は「畔柳はここ一番で頼りになる。櫛田は昨秋はランナーコーチャーだったが、ひと冬越えて良くなっていた。ヘッドスライディングでホームインした瞬間、冬場の努力が目に浮かんだ」と誇らしげだった。

 甲子園でのランニング弾は、昨夏の甲子園交流試合での加藤学園・杉山以来となる。

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