【メジャースカウトの眼】今大会はワクワクする好投手がめじろ押し
2年ぶりの開催となったセンバツ。32校の熱戦に、スカウトたちもスタンドから熱視線を送る。今大会もカンザスシティ・ロイヤルズの大屋博行国際スカウトがメジャーの視点から金の卵を分析する。
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天理(奈良)達君は、改めて直球の回転の良さに感心させられた。着実に体力もついている。もちろん193センチの長身なので、その体力もまだ奈良県の鹿ではなく、ようやく立ち上がったバンビ程度。これは5年くらいかけて体を作ればいい。3月27日生まれと、他の選手よりも“若い”だけに、無限の伸びしろを感じられた。
中京大中京(愛知)の畔柳君はお尻といい、太ももといい、まさに「金太郎」体形から、常に攻めのピッチングという大きな魅力がある。
しかもこの時期、力みがボールに表れがちなのだが、常に144~7キロという一定したボールを投げられるのは、高校生ではなかなかできないことだ。チェンジアップも素晴らしいし、しかもその効力は向かって行くピッチングスタイルがあってこそ。畔柳君の、最大の強みだろう。
この大会に出場した他の投手では、市和歌山(和歌山)の小園君は別格。素晴らしい直球と、感性の持ち主で、対する打者は何を狙えばいいのか分からないほどだ。さらに、県岐阜商(岐阜)の野崎君は今すぐプロに行っても通用する完成度。また同じ左腕で福岡大大濠(福岡)の毛利君は特にカーブの制球が抜群で、ソフトバンク・和田のような投手になれるのではないか。