中京大中京・畔柳「腕に力が入らない」異変に襲われたエース 31球で無念の降板
「選抜高校野球・準決勝、明豊5-4中京大中京」(31日、甲子園球場)
エースが異変に襲われた。「腕に力が入らなくて…」。わずか31球で無念の降板。祈りながらベンチで戦況を見つめたが、あと1点が届かなかった。中京大中京(愛知)の畔柳亨丞投手(3年)は「申し訳ない気持ちでいっぱい」と唇をかんだ。
万全にはほど遠かった。初戦から3試合で379球。「1週間500球」の球数制限まで121球を残していた。しかし、休養日を挟んで迎えたこの日も「すごい疲れが残っていて肘が重かった」ため、先発を回避した。
四回、5点を奪われると、劣勢ムードを断ち切るため2死から2番手で登板。2回1/3を無安打無失点で5三振を奪ったが、六回を終えてベンチに戻ると右腕に力が入らなかった。理学療法士からチェックを受け、高橋源一郎監督(41)の判断で降板が決まった。
2回戦・常総学院戦で今大会最速の149キロをマーク。圧倒的な存在感を示したものの、夢の頂点には立てなかった。「夏、絶対に戻ってきて日本一を取りたい」。悔しさをかみしめながら、右腕は雪辱を誓った。