明豊・川崎監督、準Vにも褒め言葉は封印「謙虚さ、反骨心がなくなると成長しない」

9回、サヨナラ勝ちで優勝を決め、歓喜する東海大相模ナインを背にガックリする明豊・京本(撮影・北村雅宏)
うつむきながら準優勝旗と共に場内一周する京本(右から3人目)、太田(左端)ら明豊ナイン(撮影・吉澤敬太)
試合後、東海大相模・門馬敬治監督(右)と言葉を交わす明豊・川崎絢平監督(撮影・高部洋祐)
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 「選抜高校野球・決勝、東海大相模3-2明豊」(1日、甲子園球場)

 気を抜くとつい、褒めたくなってしまう。それほど明豊ナインはぐんぐんと成長し、決勝の大舞台で最高の試合を演じた。

 川崎絢平監督(39)は「スター選手がいないチームで、個々の役割を全員が全うしようと、起用に応えよう、応えようとする姿はとてもうれしかった」と、本音がつい、口を突いた。

 しかし、そんな選手たちだからこそ、もっと成長してほしい。自身は1997年の夏、智弁和歌山の選手として味わった日本一の喜びを、選手たちにも知ってほしい。「勝たせてやりたかった。悔しいですね」も、本音だ。

 明豊の監督に就任したのが2012年。4度の成績(昨年は出場決めるも大会中止)は1回戦負け(15年夏)に始まり、ベスト8(17年夏)、ベスト4(19年春)、そして今回の準優勝だ。

 「自分事にはなりますが、階段は一つ一つしか上がれないですね。今回二つ、と思ったんですが、まだまだ早いんだな、ということでしょう」。

 自身の話はそれで終わり。主役は選手、を貫く。センバツでは史上初となる、全試合無失策も、成長の証だが、それでも「満足したらこれ以上伸びないから」と、褒め言葉は封印する。

 学校史上最高となる準優勝も「すごく成長して、すばらしい…」とつい、褒めそうになったがここもぐっと心を鬼にして「謙虚さ、反骨心がなくなると成長しなくなる。“準優勝の悔しさ”を持って進んでほしい」と、選手の尻をたたいた。その先に必ず、真の喜びが待っている。それを知る指揮官だからこそのエールは必ず選手の心に届くはずだ。

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