巨人の若手が見習うべきはヤクルトの必死なプレー「この時期に発奮を」高代氏が提言
「広島2-0巨人」(9日、マツダスタジアム)
巨人が完封負けを喫した。広島・大瀬良を追い詰めながらも、チャンスに1本が出なかったG打線。特に覇気の見られない若手に対し、デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「ヤクルトの若手を見習って発奮すべし」とハッパをかけた。
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この試合で最もガッカリさせられたシーンは二回表、巨人の攻撃だ。
無死一、二塁で打者は重信だったが、このビッグチャンスに、カウント2ボール1ストライクからポコンと簡単にライトフライを打ち上げてしまった。
1球目にバントの構えを見せてはいたが、バッティングカウントからあの平凡なフライでは気勢をそがれる。続く吉川もボテボテの捕ゴロに倒れて、無得点に終わった。
打線は下位に向かっていくが、それでも何とかしなくてはいけない場面だろう。初回に菅野が2点を失っていただけに、あそこは目の色を変えて点を取りに行くところ。そんな姿勢を見せてもらいたかった。
今の巨人は新型コロナウイルスの影響で丸やウィーラー、中島らの主力が試合に出られない苦しい状況下にある。
その穴を埋めるために起用された選手にとっては、レギュラーポジションを奪う絶好の機会とも言えるのだ。
過去にはこういうアクシデントに乗じてポジションを獲得した選手は多い。巨人の若手にも、それくらいの貪欲さを見せてもらいたい。
開幕で先発出場していた若林もいないのだから、同じようなタイプの重信や吉川は本当にチャンスのはずだ。もっともっと必死になって、ポジションをつかみ取りにいかないと、そのうち使ってもらえなくなると思う。
この試合を見ていて、8日の神宮でのヤクルト-広島戦を思い出した。そして、こう思った。
巨人の若手はヤクルトの若い選手を見習うべきだ、と。
全身から発散されるあの必死さ。ヤクルトの若手の中には、重信や吉川よりも経験の浅い選手が多く含まれている。それでも青木や内川の穴を「オレが埋めるんだ」という気迫が感じられた。
雨の神宮で見せた激闘。みんな懸命に打って走っていた。感動ものだったね。
もっとも今の巨人は主力を中心にして打線全体が湿っている。この日の敗因を探せば六回無死一、二塁でセカンドフライに打ち取られた4番打者にも責任があるだろう。
ただ、岡本和にしろ坂本にしろ、いずれ調子を上げてくる。むしろこれから先のことを考えると、将来を担う若い選手にこそ、この時期に目立ってほしい。
なのに覇気が感じられず、どこかベテランのような軽いプレーに見えたのは何とも残念だった。
重信と吉川には、もっと目ん玉をひんむいて、必死になって向かっていってほしい。発奮しないと。この言葉に尽きると思うね。