巨人・畠に感じていた“球の強さ”「個人的には井納より計算できる」高代延博氏の評価
巨人が畠世周投手(26)の好投などで中日に連勝した。この1勝をチームにとって「大きなプラス」と語るのはデイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏。また、FAで巨人に移籍した井納より「計算できる投手」と断言した。
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畠の投球内容が素晴らしかったね。完投こそ逃したけど、八回まで中日打線をゼロに抑え込んでいたのだから、十分に合格点をもらえるのではないか。
彼がデビューしたころから、力のある球を投げるピッチャーだなという印象を強くもっていた。
当時、私はタイガースのコーチという立場で、三塁のコーチャースボックスから畠の投球を見ていた。そこで感じたのは彼独特の「球の強さ」だった。
「球の強さ」と言っても、少し分かりにくいかもしれない。それは球速として表される数字以上に感じる“速さ”だったり、腕の長さから感じる打ちにくさだったり。肉眼で見るボールには、それぞれの投手の特長というものが表れるもの。その投球を目にして、これはひと筋縄ではいかんだろうな、と思ったものだ。
ただ、肘痛という不安を抱えていたこともあり、不運にもケガが原因で、その後の成長が妨げられていたのだと思う。
個人的な思いを語ると、DeNAから巨人へFA移籍してきた井納よりも畠の方が戦力として計算できると思っていた。オープン戦の段階で投手陣では高橋や畠への信頼が、今ひとつよくなかったようだが、2人ともシーズンに入ってその信頼を取り戻したのではないか。これはチームとって大きなプラス材料だろう。
11日の広島戦で今村が完封し、この中日戦ではサンチェスに続き畠も好投。巨人の投手陣はやはり安定した力をもっている。
チーム全体としても、新型コロナの影響で丸やウィーラー、中島らが欠けていながら、この位置をキープしている。状況を考えれば上出来でしょう。
戦力が整い、スモークとテームズの両新外国人がオーダーに加わり額面通りの力を発揮すれば、相当迫力ある打線になる。
巨人が本来の姿に戻れば、そこから阪神との一騎打ち状態に入ると踏んでいる。
2強に絡んでくるのがリリーフ陣を強化した広島かな。DeNAもソトとオースティンが戻ってきた以上、このまま終わるわけがない。
いずれにせよ、各球団とも顔ぶれがそろえば、見応えのある試合が増えていくはず。これから先、さらに面白いゲームを期待したいね。