【佐藤義則氏の眼】楽天・マー君は重心高く力強さが足りない
「日本ハム4-1楽天」(17日、東京ドーム)
日本球界復帰後初登板に臨んだ楽天・田中将大投手。8年ぶりの雄姿に日本中から視線が集まる中、5回4安打3失点で今季初黒星を喫し、2012年8月26日の日本ハム戦から継続中だったプロ野球の連勝記録は「28」でストップした。
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この試合、田中将に関してまず思ったことは「力強さが足りないかな」という部分だ。
全体的に直球、変化球ともにボールが高かったのだが、特に直球について、150キロを超える中で、その高めをはじき返されたということは、球速はあっても球威を欠いていた、ということだろう。
足の故障で出遅れたということだが、その影響はなかったと思う。また、ボールが高くなったとか、直球の威力を欠いたと言っても、変化球もうまく投げられるピッチャーだから、かわすことは十分できる。
ただ、まだ30歳前半ということを考えれば、もうちょっと力で押すピッチングを継続してほしい。
そのために、フォームに改善の余地があるように感じた。
具体的に言うと、重心が高い。したがって、踏み出した左足に体重が乗り切らず、体が正面(捕手方向)を向くのが早くなってしまう。
以前の楽天時代からメジャーに移ってしばらくは、左の太ももにおなかがくっつくくらい、低い重心で投げ切れていた。本人は自覚していないかもしれないが、ここ2年ほどはその重心が、高くなってきている。
練習はしっかりするタイプなので、下半身の力は十分にあるはず。低い重心で“横向きの時間”を長くする工夫をすれば、威力を取り戻せるはずだ。