「ヤクルト６－４中日」（２３日、神宮球場）

　怒りの抗議は実らなかったが、一致団結する要素になった。山田が１試合２本塁打を放てば、村上は今季初の猛打賞。代打・川端は六回に決勝打を放った。ヤクルトは最大３点差をひっくり返す逆転勝ちで３連勝。高津監督は「信頼して送り出しています」。選手が指揮官の思いに応えた。

　大きなアウトになった。同点の三回２死二塁。中日・松葉が暴投し、白球はバックネット方向に転がった。二走・村上は迷うことなく三塁を蹴って、一気に本塁へ。判定はセーフだった。

　だが、リクエストで判定は覆った。リプレー映像では、松葉の足がスライディングした村上の足をブロックするような状況になっていたが、試合後の川口責任審判は「コリジョンは投手のカバーは適用しない」と説明。高津監督も「もう少し僕も勉強します」と表情は厳しかった。

　それでも劣勢ムードを、選手が切り開いた。主将・山田がお立ち台でチームの思いを代弁した。「なんとかまた明日勝てるように」。貯金３は今季最多。戦いはまだ、始まったばかりだ。