楽天・マー君 凱旋 復帰後初星!2リーグ分裂後 日本最速通算100勝目「ただいま」
「楽天2-1西武」(24日、楽天生命パーク宮城)
HEROの凱旋だ。8年ぶりに楽天に復帰した田中将大投手(32)が、2013年11月3日の日本シリーズ第7戦以来、2729日ぶりの本拠地登板を果たした。6回3安打1失点で復帰後初勝利を挙げ、お立ち台では「ただいま!」と帰還を報告。2リーグ分立後では最速となる177試合目でのNPB通算100勝も達成し、歴史的勝利に東北が沸いた。
ゲームセットの瞬間、真っ先にベンチを飛びだしてきたのは田中将だった。左手にウイニングボールを握りしめた右腕はファンに向かって一礼した後、NPB通算100勝の記念ボードを掲げた。節目の勝利とともにマー君の東北第2章の幕開け。お立ち台では「何か不思議な感じがします。でもものすごくうれしいです」と喜びをかみしめた。
8年ぶりの仙台での登板。「おかえり」。そう書かれたボードがスタンドで揺れる中でマウンドに向かった。「やはりそうやって応援してもらえるというのはプレーヤーとしてすごく幸せ」。ファンの後押しも受けながら、イニングを投げ進めていった。
積極的に振ってくる西武打線に対し、序盤から変化球でいなすピッチング。わずか68球で6回を投げ抜き「前回登板よりもいろんなところで手応えは感じました」とうなずいた。
決して万全の状態ではなかった。3月25日に右足を負傷してから、グラウンド上で全力ダッシュをしている右腕を見ていない。常に状態を確認しながらの調整に「モヤモヤしたものはずっとある」とこぼしたこともあった。
そんな中でも試合を作り、自らの手でNPB通算100勝をたぐり寄せた右腕。復帰後の努力、苦悩を知る石井監督は「100勝くらいならできますから。彼はもっと特別な選手なので」と独特な表現で今後のさらなる飛躍に期待した。
田中将自身も「あと1勝すればというのはもちろん分かってはいましたけども。でも間が7年空いていたので、あまり実感がないというか…」とサラリ。あくまで通過点でしかない。楽天・背番号18の物語が再スタートを切った。