オリックス・能見ガッツ!史上初2球団最年長セーブ 記念球は「まわってこなかった」
「オリックス5-4ソフトバンク」(2日、京セラドーム大阪)
オリックスは最後を締めた41歳・能見兼任コーチが思わずガッツポーズ、そして捕手・伏見と抱き合った。
「そうなりますよね。点差も点差ですし」
1点リードの九回2死三塁。ヒヤヒヤの場面もベテランの落ち着きで川島を三ゴロに打ち取り移籍初セーブ。07年・吉田修司の40歳7カ月を抜き、球団最年長セーブ記録を更新。阪神と合わせて2球団の最年長記録ホルダーとなった。
「最年長?夢ないですね(笑)どんなところでもいい働きができたらいい。ベテランなので(笑)」
定まらない抑えのポジション。漆原が不調、ヒギンス、平野佳は故障離脱する中、まわってきた。中嶋監督からは常に「とんでもないところでいかせるからな」と予告されていることもあり、心の準備はできていた。
いきなり真砂に安打を許すが、阪神時代に培ったポーカーフェースを崩さない。犠打で得点圏に送られてもデスパイネ、川島と内野ゴロで逃げ切った。
中嶋監督は「ここ一発は能見で行こうと。うまい。攻めるところは攻められる。いい投球です」と頼れるベテランを絶賛した。
キツイ場面の登板に加えて、兼任コーチとしての仕事もある。日々、実際にキャッチボールをしながら経験を伝えている。
「いいボール投げる投手はいっぱいいる。僕以外は伸びしろある選手ばっかりなんで」
山崎福の初勝利を喜び、比嘉の好救援をたたえた。記念球は「まわってこなかった」と笑う。その笑顔に充実感が漂った。