巨人逆転負けの伏線か 三回の坂本の走塁死「なぜアウトになるのか疑問」と高代延博氏
「巨人4-6ヤクルト」(7日、東京ドーム)
巨人が痛恨の逆転負けを喫した。菅野の緊急降板という波乱の試合の結末は救援陣崩壊による敗戦。しかし、デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「なぜ坂本はアウトになったのか」と三回の攻撃中に見せた三塁へのタッチアップ失敗の場面に首をひねった。
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なぜ坂本は三塁を奪えず、タッチアウトになったのだろう。この日の試合を見ていて素朴な、そして大きな疑問は、あのタッチアップの失敗だった。
場面は三回裏、無死満塁。岡本和の右翼への飛球で三塁走者の梶谷が生還した。ここまではよかったが、三塁を狙った坂本がアウトになった。
サンタナの本塁への送球は高く、ダイレクトで捕球した捕手の中村は、本塁を諦めて三塁へ送球し、坂本を殺しにいった。
右翼から捕手、三塁への転送プレーであるのに、なぜ二塁からタッチアップした坂本がアウトになったのか。不思議でならない。
比較的浅めの飛球でバックホームが前提になるから、通常なら走者全員タッチアップの準備に入るものだ。そのうえで三塁走者以外は一度離塁し、シャッフルをかけて、送球ルートを確認する。
実際にはサンタナは本塁へ投げた。しかも、こういうケースで外野手がやってはならない高い送球だった。これを見てから三塁へ向かっても、坂本は余裕でセーフになっていたはずなのだが。
その後の展開によってはビッグイニングになっていたかもしれない重要なイニングだった。
無死満塁で打者が4番という最高の状況で犠飛による1点のみ。これは巨人にとって非常に痛かったと思う。走塁死は、おそらく坂本の判断の遅れ。それがスタートの遅れにつながったのではないかな。
2本塁打を含む3安打。勝っていれば最大の殊勲者になっていたその坂本を責めるつもりはないが、あとになって思えば、「あの走塁が」という反省に行き着く。
ウィーラーの一発も含めて3本塁打を放った巨人だが、結果的に大味なゲームという印象を受けたのは残念だった。
菅野にアクシデントがあったのか4回で降板した。リリーフ投手は野上以外、出来が悪く試合をひっくり返された。
しかし、打たれた、打てなかったというようなことではなく、やるべきことができなかったという事実を重く見たい。
私は自分自身のコーチ経験から、どうしても走塁面に目がいく。
野球で最も難しいのが走塁だと言われる。事実、試合後のミーティングでは、毎日のように反省材料が出てくるもの。
それらを一つひとつ押さえていく。チームを成長させるうえで、これは非常に大事なことだと思う。