巨人・長嶋茂雄終身名誉監督 今年の阪神は「手ごわい相手」 伝統の一戦を生観戦
「巨人5-6阪神」(16日、東京ドーム)
巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(85)が16日、東京ドームに来場して巨人-阪神戦を観戦した。同ドームでの生観戦は3月26日の開幕・DeNA戦以来。05年以来のリーグ優勝へ突っ走る虎を「手ごわい相手」と認め、永遠のライバルとの対決がさらに盛り上がることを期待した。
通算2001試合目となり、新時代を迎えた伝統の一戦。本塁後方の球団ブースから熱視線を送ったが、それは自軍の選手だけではない。自身と同じ「4番・三塁」の阪神ドラフト1位・佐藤輝(近大)も目の当たりにした。
怪物ルーキーを中心に首位を走り、快進撃を続ける阪神。その圧倒的なパワーを肌で感じたのだろう。「今年の阪神はルーキーの佐藤輝君という新しい力もあり、強い。手ごわい相手ですが、わが巨人軍も十分に力があります」。まるで現役時代や指揮を執っていた時のように、宿敵にライバル心を燃やした。
TG戦は15日に通算2000試合目を迎えた。自身は1959年の天覧試合でサヨナラ本塁打を放つなど歴史を彩った。「今でもあの時の興奮、そして大歓声はよみがえってきます」。伝統の一戦への意識は強く、「やはり特別な思いがあります。今も熱い思いがこみ上げてきます」と胸中を明かす。
この日は巨人が逆転負け。六回に3点を奪って1点差としたが、6失点が響いた。原監督は「6点がね、やや重かったかなという気がする。よく追い上げたけど」。本拠地で今季初めて阪神に負け越し、首位・阪神と今季最大タイの4・5ゲーム差に開いた。
ミスターは「やはりプロ野球は巨人と阪神が強いと盛り上がります。2001試合目以降もライバルとして、新たな好勝負が生まれていくことを期待しています」と言葉に力を込める。勝負どころはまだ先だ。リーグ2連覇中の王者が、虎を追いかけていく。