東大 4年ぶりに勝った!64連敗でストップ 元中日・井手監督就任3季目の初星
「東京六大学野球、東大2-0法大」(23日、神宮球場)
4年ぶりの歓喜だ。東大が法大を下し、2017年秋以来となる白星。連敗を64でストップし、19年11月に就任した元中日の井手峻監督(77)にとって初勝利となった。立大は明大に敗れ、優勝の可能性が消滅。試合のなかった慶大の19年秋以来、3季ぶり38度目のリーグ制覇が決まった。
勝利の瞬間、控え部員も一塁ベンチからグラウンドへ飛び出して東大ナインが喜びを分かち合った。主将の大音周平内野手(4年・湘南)は「フワフワした気持ち。感動してしまって」と感情をうまく言い表せず。就任3季目で1勝をつかんだ井手監督も「夢のようです」と感慨に浸った。
“足攻”で勝機を見いだした。二回2死二塁から松岡泰希捕手(3年・東京都市大付)の右翼への適時打で先制し、四回は相手の失策が絡んで追加点。いずれも一塁へ走者が出塁すると、すぐさま代走のカードを切った。
「打つのが得意な選手と、走るのが得意なのといる。塁を進めなと点にならない」と、井手監督は迷わず勝負手を打った。二回は盗塁、四回はエンドランでチャンスを拡大。いずれも貴重な得点につながった。
勝つために考え抜いて、たどり着いた戦術だ。「長打が出ないので。なるべく先の塁へ進もうと考えて」と大音。二塁送球の最速が1秒8台の強肩・松岡泰を捕手役として、毎日のように盗塁練習するなど、走塁改革を進めてきた。
今季10試合でマークしたチーム24盗塁は、リーグダントツの数字。開幕週で早大に引き分けるなど善戦を続け、最終戦でようやく手にした白星。3000人の観衆に、最高学府の底力を存分にアピールした。