広島感染多発でガイドライン見直しも「不十分である可能性がある」NPB&J連絡会議
日本野球機構(NPB)と日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が合同で立ち上げた「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第32回会合が24日に開催され、会議後にプロ野球の斉藤惇コミッショナー(81)、Jリーグの村井満チェアマン(61)がオンライン会見した。変異株による感染拡大の現状を踏まえて、ガイドラインの見直しなど感染対策強化への必要性も示した。
変異株の拡大により、プロ野球では広島で感染事例が多発。現在までチーム内の感染者が12人となり、21日からの阪神3連戦(マツダ)も延期された。
広島の事例について、専門家チームの座長を務める東北医科薬科大の賀来満夫特任教授は「PCR検査をしっかりした後に、また感染者が出ている。変異株の関係があるとすると、今までの考え方では若干不十分である可能性がある」と指摘する。「PCR検査を繰り返しやっていくことは絶対に必要だが、今までのガイドラインでは不十分な点があるのではないかということを前提に検証していきたい」とガイドライン見直しの必要性についても触れた。
今回の会合ではワクチン接種についても議論された。賀来特任教授は五輪出場選手のワクチン接種時期について、2回目を打ち終わって1週間経過すると抗体量が多くなることを示し、「例えば五輪の試合開始までは2回目を打って、1週間ぐらい余裕があることが理想的だとは言える」と話した。
村井チェアマンは「ワクチンの有効性は誰もが認めるものなのでそこを啓発していくこと。そしてその裏側にある人権に対する配慮も学ばないといけない。アスリートに対するパフォーマンスへの影響度合いにも向き合わなければいけない。ワクチン接種に関しては3つの観点、啓発、人権、アスリートへのパフォーマンスを理解した上で語っていきましょうというのが今日ご指導いただいた観点です。一般国民感情として自分たちがままならない中でアスリートがリソースを享受していいかという問題もある」と説明した。