慶大34年ぶり日本一 注目の4番正木が先制2号2ラン「完璧な感触だった」
「全日本大学野球選手権・決勝、慶大13-2福井工大」(13日、神宮球場)
陸の王者・慶大が決勝最多得点をたたき出し、1987年以来34年ぶり4度目の日本一に輝いた。今秋ドラフト上位候補で4番の正木智也内野手(4年・慶応)が、2号2ランを含む5打数3安打3打点で打線をけん引し、MVPを獲得。福井工大は初の決勝で初優勝を目指したが、大差をつけられ悲願達成とはならなかった。
4番の仕事を全うした。「勝ち切るまでは喜ばないと決めていたので終わった時はうれしさがこみ上げた」。ゲームセットの瞬間、優勝の立役者である正木にようやく笑顔がはじけた。
初回2死一塁。「完璧な感触だった」と豪快な先制2ランをセンターへたたき込むと、勢いづいた打線は15安打13得点と爆発。正木は六回にも適時打を放つなど、3安打3打点の活躍で悲願のMVPを手にした。
最後まで熱視線を送った広島・苑田スカウト統括部長は「パワー、守備、対応力…何も言うことがない。どの球団も取りたい選手の1人だと思う」と大絶賛。堀井哲也監督(59)も「初回の一発は大きかった。本当に選手がよくやってくれたの一言に尽きる」とナインらを称賛した。
今大会で間違いなく正木の評価は急上昇したが、「大学野球を全うしてからのドラフトなので。春はまだ通過点」と言い切った主砲。2季連続日本一に向け、視線はもう秋へと切り替わっている。