侍ジャパン開幕投手は楽天・マー君有力 金へエース指名 稲葉監督と08年北京で共闘

 東京五輪に出場する野球日本代表「侍ジャパン」が16日、都内で会見を行い、出場内定の24選手を発表した。会見に出席した稲葉篤紀監督(48)は、08年北京五輪をともに戦い8年ぶりに日本球界復帰した楽天・田中将大投手(32)を投手陣のけん引役に指名。順調ならば、田中将が7月28日の1次リーグ初戦(福島)で“開幕投手”を務めることが有力となった。

 コロナ禍による東京五輪の1年延期という想定外の事態が、図らずも運命的な共闘を実現させた。稲葉監督は田中将に対して「菅野投手とともに投手陣を引っ張ってほしい」と中心選手での活躍を期待する言葉を送った。

 08年北京五輪。稲葉監督(当時選手)と田中将はともに金メダルを目指し戦ったが、結果は4位。「本当に悔しい思いをした。東京五輪で(野球競技が)復活し、監督をやらせてもらう最大のチャンスをいただいた」と稲葉監督。「五輪の借りは五輪で返す」と強い思いを発信してきた。

 それは田中将も同じだ。楽天への復帰会見でも「北京五輪では悔しい思いをしている。自国開催だし、金メダルを取りたいと思う」と強い決意を示した。

 時は流れ、09、13年のWBC、そして米大リーグでの経験を積んだ右腕は『エース』としての期待を背負い、東京五輪へ臨むことになる。「経験は年を重ねた分だけある。自分が伝えられることは伝えたい。(以前の国際大会と)自分のポジションは違うのかなと思う」と田中将。その言葉に覚悟がにじんだ。

 「復興五輪」の意味を持つ今大会。金メダルへのスタートを切るのは、11年の東日本大震災の被災地となった福島でのオープニングゲーム(7月28日)となることが決定的だ。

 今後の調整などが順調に進めば、この東北での“開幕投手”を田中将が務めることが濃厚となった。13年に楽天のリーグ優勝、日本一に貢献して東北に歓喜の瞬間をもたらした。そしてまた、運命は田中将を東北での歴史的一戦に導いた形だ。

 コロナ禍で苦難の道をたどった東京五輪。だが稲葉監督は「目標は少しも変わることはない。あらためて申し上げます。目標は金メダルです」と揺るがない思いを語った。無念の空を見上げた日から13年。指揮官とエースに形を変え、2人は再び悲願の頂を目指す。

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