巨人・大城のリードに疑問 高代氏「ベンチの意図を理解していない」
「阪神7-1巨人」(18日、甲子園球場)
巨人が首位阪神に敗れ、ゲーム差が今季最大の8に開いた。敗戦を決定づけたのはサンズに浴びた満塁本塁打。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「大城はベンチの意図を理解していないのか。あり得ないリードだ」と首をかしげた。
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大城のミスリードは本当に目立つ。今年何回指摘してきたか。しかし、際立っているから論評しないわけにはいかないよ。
サンズに満塁本塁打を浴びたのは三回だった。無死満塁の状況でベンチは内野ゲッツーの守備隊形をとった。
すでに3点を失ってはいたが、強打者だけに大量失点だけは避けたい。可能な限りゴロを打たせて併殺に仕留める。それが狙いであるのはだれにでも分かる。
ところが、大城が構えたミットは外角高めだった。なぜ高めなのか。ゴロを打たせなくてもいいのか。しかも外角はサンズの好きなコースだ。
いやサンズでなくても、外角高めは外野へ飛ばしやすい球。私にはその意図がまったく理解できなかった。
初球、おなじようなところに構えてカット系の球をファウルされていた。そして2球目のスライダー。危険な高めのストライクゾーンにミットを構えて、そこへきっちり投げた田中豊樹だったが、これを見事に右中間席へ放り込まれてしまったというわけだ。
私の頭の中は?マークでいっぱいになりましたよ。
内野手は中間守備の併殺シフトを敷いているのだ。このポジショニングを把握して配球するのが当然なのに、正反対のリードをしているのだから驚いた。ベンチの意図を理解していないとしか考えられない。
先発したメルセデスは二回に3点を失い、三回は無死満塁のピンチを招いてマウンドを下りた。出来がよくなかったのは確かだが、彼の武器である右打者のインサイドに食い込む「まっスラ」が十分な威力を発揮していないように感じた。
二回の3失点に絡んだサンズの左中間二塁打も梅野の左線二塁打も、打たれたのはスライダー。大城は彼の持ち味をうまく引き出せていなかったようにも思う。
阪神の先発・西勇は勝ち運から遠ざかっていたためか、表情や仕草にいつものような余裕がなく、走者を何度も背負う苦しい投球だった。それだけになおさら序盤の崩れが惜しまれる。
首位を走る阪神とのゲーム差を思えば、絶対に勝ちたい試合で大敗。その敗戦の裏に、首をかしげたくなるようなリードがあったのだから、巨人にとっては重い1敗と言わざるを得ない。