オリックス・田口コーチJr. 親子メジャー挑戦「アメリカの大学からMLBに」

 硬式野球クラブチームの関メディベースボール学院に所属する、元大リーガーで現在はオリックス外野守備・走塁コーチを務める田口壮氏(51)の一人息子、田口寛外野手(17)=カナディアンアカデミー=が、野球での米国留学を目指していることが21日までに分かった。今秋、米国の大学入試に挑戦する予定。将来的な夢に米大リーグ入りを掲げており、実現すれば日本初の親子二代メジャー選手となる。

 父と同じ舞台へ。田口は夢実現のために、着々と牙を研いでいる。20日に行われた都市対抗の兵庫1次予選・準決勝では、代打で空振り三振。ただ17歳にして木製バットを使用し、追い込まれてから内角の厳しいコースを柔らかく肘を抜いてカットするなど、センスを感じさせるスイングを見せた。

 父・壮氏とは異なる左投げ左打ちの外野手。肩も脚力も元々強くなかったが、努力で身体能力を高めた。昨秋からは現役プロ野球選手のトレーニングも見ている青山武士トレーナー(43)の指導を仰ぎフィジカル面を徹底的に強化。松岡淳監督(47)は「スイングスピードや脚力が強くなってきている。打って走ってバントもうまい。そこは父譲りなところ」と、高い素質と成長ぶりに目を細めた。

 小1で地域の少年野球チームに入団。インターナショナルスクールに在学しているため、いわゆる高校野球で甲子園を目指すことはなかったが、野球への情熱は球児たちに勝るとも劣らない。

 夢は父と同じメジャーリーガー。学校がある日は全体練習が終わる夕方から合流し、室内練習場で黙々と技術を磨く。足りない分は、家でも自主練習を行いカバーする。

 「『ボールを呼び込むように』と言われたことが印象に残っている」。小さい頃に打撃の基本を父に教わった。今でも調子を崩したときは「フォームを動画に撮って見てもらいます」と、LINEや電話でアドバイスを受けるという。

 「アメリカの大学からMLBに入りたい」。父の背中を見てきた田口の視線は海外を見据える。今夏には米国の大学でトライアウトを受ける予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で挑戦できず。代わりに自らのプレー動画を大学に送り、アピールを続ける。「受験での入学も考えている」と、入学試験に向けて筆記の勉強にも力を入れる。

 「(ブルージェイズ外野手の)ジョージ・スプリンガーのような選手になりたい」。偉大な父への憧れも胸に、努力で夢をつかみ取る。

  ◇  ◇

 田口 寛(たぐち・かん)2003年12月24日生まれ。兵庫県西宮市出身。183センチ、75キロ。左投げ左打ち、外野手。インターナショナルスクールのカナディアンアカデミーに小学校から在学。小1で苦楽園オールヒーローズに入団し、関メディベースボール学院中等部に入部後から本格的に野球に取り組む。遠投105メートル、50メートル走5.9秒。元大リーガーで現オリックス外野守備・走塁コーチの田口壮氏の一人息子。

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