GTどっちが強い?「引き離せば阪神、競り合えば巨人」と北別府氏が分析

 首位阪神に巨人が迫ってきた。今季最大の8ゲーム差が、わずか9日間で2・5に急接近。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「今年の阪神は投打に優れているが、競り合えば経験の差で巨人に分がある」と今後のペナントレースを予想した。(記録は6月28日現在)

   ◇  ◇  

 巨人が息を吹き返してきたね。予想通りだね。ここは坂本のチーム。4番に目下打点王の岡本和が座っているが、坂本の存在が大きく、彼の活躍次第でチームの成績はかなり違ってくる。

 ただ、坂本がケガで登録を抹消される前から、今年の巨人はコロナの影響もあって、なかなかエンジンがかからなかった。

 さらに丸も大きなスランプに陥っていたから、なおさらだったよね。まだ若いとはいえ丸も坂本もベテランの域に入ってきており、ケガの心配が増えてくる年齢。これまでのように1年間、高いレベルで調子を維持することは難しくなってきている。

 しかし、これらの中心選手がようやくそろってきた。阪神とは最大で8ゲームも差があったのに、わずかの間で2・5ゲーム差に縮まったんだから、優勝争いという点では面白くなってきましたよ。

 それにしても今年の巨人は故障者が多い。それでもこれだけ戦えているのは、戦力が豊富だから。1軍に昇格する選手はだれもが一定レベルにある。“いないから上げる”というチームもあるけどね。だから強いはずですよ。

 一方、首位阪神は…やっぱり今年の実力は本物だと思う。去年までとは違う。レギュラーが固定化されているところに、安定した強さを感じるね。

 矢野監督もベンチで慌てるような様子が見られなくなった。どっしりして落ち着きというか、ゆとりを感じる。

 それと、新人の佐藤輝の活躍。最初のころはすべての投手と初対戦で、データもないから配球を読んで打つことはできなかったが、今は考えて打っているように見える。

 楽天の田中将大から放った右中間への大きな本塁打は見事だったね。内角のスライダーかな。難しいコースの球だったよね。

 田中クラスの投手のあの球がさばかれると思うと、投手としては怖さを感じて、なかなか懐に入っていけなくなるものですよ。

 彼にはまだまだ荒削りなところはあるけど、経験を積めばもっと打てるようになるはず。佐藤に限らず、若い選手の多い阪神には「成長」という武器がある。これは魅力。

 対して巨人には経験という武器がある。今後のペナントレース。若さや勢いを背に突っ走れば阪神に、僅差で競り合えば巨人に分があるような気がするね。

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