オリックス・宮城 ハーラー単独トップ9勝目 チーム7年ぶり40勝一番乗り
「西武2-3オリックス」(4日、メットライフドーム)
この19歳はやはりただ者ではない。1点リードの八回1死一塁から代打・山川。一発が出れば逆転の場面でオリックス・宮城は開き直った。
「いっぱい、いっぱいでした。何も考えず。押せるなら押そうと、ただ腕を振っていこうとだけ思いました」
111キロのカーブで追い込み最後は高め148キロで空振り三振。さらに2死一、二塁からは源田を宝刀スライダーで二ゴロに打ち取り、ピンチを脱した。
8回2失点の好投で同僚山本を引き離し、ハーラー単独トップに立つ9勝目。プロ通算10勝目となった。
「分からないです。本当に。あんまり感覚はないです」
このまま高卒2年目以内で最多勝となると、新人の1999年と2年目の2000年に獲得した松坂大輔(西武)以来。左腕では68年に2年目で獲得した江夏豊(阪神)以来となり、偉大な名投手と肩を並べることになる。
10代にして老練なテクニックと勝負度胸。母校・興南の我喜屋優監督が明かす。1年夏から甲子園で投げた宮城に『琉球王子』のニックネームが付くとすぐに否定。「王子キャラではない。落ち着いていて、すでに人生経験豊かな人間みたい。『琉球じじい』だ」と名付けたという。
チームではいじられキャラ。「由伸さんに“防御率抜いたらしゃべらない”と言われてます。いつもいじめられているので抜いてやり返したいと思っています」と笑わせた。
防御率は0・02差の2位。チーム内のハイレベルな競争が原動力となり、2014年以来のパ・リーグ40勝一番乗り。2位・楽天とは今季最大、97年8月以来の4ゲーム差に広がった。