覇権奪回を目指す広陵 プロ注目捕手の蜷川「投手を助けて日本一になりたい」

 「高校野球広島大会」(10日開幕)

 広陵が3年ぶり24度目の夏切符を目指す。チームの中心は遠投110メートル超えの強肩が武器の蜷川大(にながわ・だい)捕手(3年)だ。安定したリードと高い守備力にも定評がある。プロも注目する逸材が投手陣を引っ張っていく。

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 矢のような送球がひときわ目立っていた。人一倍大きな声を張り上げながら、ナインを鼓舞する蜷川が投手陣をまとめ上げ、夏の頂点に立つことを誓った。「送球には自信がある。投手を助けて日本一になりたい」と力強く意気込みを語った。

 「球を投げることが好きだったので」と小学生から捕手として白球を追った。千葉県から野球留学し、広陵に入学。二塁送球のベストタイムは1秒82。プロでも2秒以内であれば強肩の部類に入るとされている。遠投110メートルを超える鉄砲肩も大きな魅力だ。

 広陵の先輩である巨人の小林、広島の中村奨を目標に掲げる。中井哲之監督(58)は「負けん気が強い選手。肩は奨成(中村)の次に強いですよ」と絶賛する。春季県大会ではプロ球団のスカウト陣が視察に訪れ、その強肩ぶりに目を見張ったという。

 春夏通算47度の甲子園出場を誇り、3度のセンバツ優勝、夏も準優勝4度の名門。今年のチームについて指揮官は「飛び抜けた選手はいない」と話すものの、投打のバランスは取れている。打線も「振る力は(他校と比べても)うちが一番ある」と粒ぞろいのメンバーがそろっている。

 夏の甲子園出場は18年が最後。19年は県大会準決勝で広島商に5-13と大敗し、3年連続の出場を逃すと、昨夏の代替大会決勝ではまたも同校に1-9で惨敗した。悔しい思いをした先輩のためにも3年ぶりとなる聖地を目指す。「甲子園しか考えていない」と話す中井監督の下、一丸となったナインが広島の覇権を奪回する。

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 投手陣も充実している。エースナンバーを背負う福島孔聖投手(3年)は140キロ超えの直球とカーブを巧みに操る左腕。「三振を取りたい。夏は体力勝負なので、球数を少なくしたい」と省エネ投球を心掛ける。内海優太外野手(2年)は投手を兼務。185センチの長身から直球を投げ下ろす左腕で「足を引っ張らないように全力でやりたい」と意気込んだ。右腕・松林幸紀投手(2年)も投げっぷりの良さが魅力だ。

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