大島康徳さん死去 がん公表から4年5カ月 ブログで発信し続けた生きる姿
プロ野球の中日、日本ハムで活躍し、日本ハムの監督も務めた野球評論家の大島康徳さんが5日、死去したことが分かった。70歳だった。
選手、監督、そしてNHKの大リーグ中継など評論家としてもプロ野球界の発展に多大な貢献をした大島さん。その中で2017年2月7日に開設したブログでは最初の投稿で「実は大島、昨年10月下旬頃に病気が発覚しました。病名は大腸がん 肝臓に転移がありステージは4です」と告白した。
当時、公表した理由について「いきなりもの凄く驚かせてしまいましたね。ごめんなさい。でもね、安心してください。病気が発覚した時も、今現在も、大島はとても元気です。今後の人生を前向きに生きる為に病気を公表することも決意しました」と記載した。その言葉通り、治療を続けながら前向きに生きる姿を発信し続けた。
今年に入り、5月29日には「実は腹水がたまり始めています」と告白。同日に出演していた大リーグ中継で痩せている姿も話題になっていたが、「落ち込んではいませんし落ち込んでいる暇はありません。敢えて今の気持ちを表現するならば『くそったれ!』というところでしょうか(笑)ガンと共存するということはこういうことにも対処しながら進む、ということ。私は前を向いています」と、気丈に心境をつづっていた。
6月24日には在宅医療を行うために退院。28日には「ブログを書くことがきつくなってきました」としながらも、妻に代筆を頼んで最後まで自分の言葉を伝えようとする姿勢を見せていた。
亡くなったことが明らかになった5日、正午過ぎには妻がブログを更新。大島さんの言葉として、「楽しいことやりたいことは片っ端からやってきた。楽しかったなぁ…これ以上何を望む?もう何もないよ。幸せな人生だった」、「病気に負けたんじゃない 俺の寿命を生ききったということだ」などと伝えられた。
現役時代は通算2204安打を放ち、名球会入り。指導者としては日本ハムの監督や、世界一に輝いた06年WBCでは打撃コーチも務めた。野球人としてだけではなく、病気を抱える多くの人々にも夢と希望を与えた生涯だった。