日本ハム・斎藤佑樹 最速132キロに「感覚はこれがマックス」269日ぶり実戦登板
「イースタン、日本ハム9-0DeNA」(12日、鎌ケ谷スタジアム)
右肘靱帯(じんたい)断裂から再起を目指す日本ハムの斎藤佑樹投手(33)が登板。昨年10月16日のイースタン・巨人戦(G球場)以来269日ぶりの実戦で1回、9球を投げ無安打無失点、無四球で終えた。球場表示で最速132キロをマーク、変化球はカットボール、チェンジアップ、ツーシームを投じた。
7点リードの六回に2番手で登板。場内に名前がコールされるとスタンドから大きな拍手が沸き起こった。
やや緊張した面持ちで、マウンドを入念に確認した右腕。最初の打席で対戦した3番・戸柱には初球132キロの直球でストライクを奪うと、最後は低めの変化球で右飛に仕留めた。続く4番・嶺井は2ボールから129キロの変化球で三ゴロ。5番の益子も2球で三ゴロに仕留めた。
テンポの良い投球で三者凡退に締めると再び場内からは大きな拍手。斎藤佑も笑顔でベンチに下がった。
久しぶりの登板を終え右腕は、「ホッとしています。すごく緊張しました。ファンの方がいる前で投げるのも久しぶりだったので、まずは無失点で抑えられたことはよかった」と胸をなでおろした。
右肘故障後からのここまでの過程については「去年、肘の痛みが出て、野球を辞めなくちゃいけないと思ってから今日に至るまで、野球をやらせてもらえることの感謝を毎日感じていた」としみじみと振り返った。「もう次からは早く1軍に上がれるよう打者を抑えていくしかない。どんな形でも貪欲に打者を抑えていきたい」と今後を見据えた。
求めている投球スタイルについては、「(直球の速度は)感覚はこれがマックス。スピードが遅くても打ち取れるボールはある。スピードを求めて過ぎてもなとも…。駆け引きみたいなもので勝負していかないといけない」と語った。
木田2軍総合兼投手コーチは、「室内で個人練習をやっていたときは138、9(キロ)出ていた。今日は久しぶりのゲームだったので、思うようにいかなかった所がフォーム的にもちょっとある。ここからは実戦で積み重ねていって、早く1軍で投げられる状態にしていかないといけない」と斎藤佑の復活に大きな期待を込めた。