神戸国際大付 明石商にリベンジ8強入り プロ注目二刀流の阪上がV撃&138球完投
「高校野球兵庫大会・5回戦、神戸国際大付6-4明石商」(22日、ほっともっとフィールド神戸)
2年前の決勝の再現となった一戦はし烈を極めたが、高校通算30本塁打でプロ注目の神戸国際大付・阪上翔也外野手(3年)が投打に活躍。同点の七回に決勝の2点適時打を放ち、投げても9回138球の熱投で完投勝利。2年前のリベンジを見事に果たした。明石商は11大会ぶりに8強を逃した。
阪上には、最後まで誰にもマウンドを譲る気持ちがなかった。女房役で先制2ランを放った西川侑志捕手(3年)も気持ちは同じだった。八回までで123球。青木尚龍監督(56)からの交代の打診に西川は「阪上がいいです」と断ってくれた。九回、気持ちを前面に出して最後の打者を一ゴロに打ち取ると、喜びを爆発させた。
「この試合は自分で投げたいと思った。2年前は最後の打者だったので。自分が投げて打って勝ちたいと思っていた」
2年前の決勝戦は1-0の九回に逆転を許し、その裏、2死満塁の絶好機に1年生ながら代打で出場も、投ゴロに倒れた。届きそうで届かなかった甲子園。あの悔しさを忘れたことはなかった。
昨年秋に痛めた右肘の影響から、一時は今大会の登板も危ぶまれていた。選抜後、投球練習を再開したのは1カ月前。上半身に頼っていた投球フォームを見直し、下半身主導を心掛けた。その成果が4回戦に続く快投につながった。
打撃でも同点の七回1死満塁の絶好機で右前に2点適時打。「その前の打席(三飛)で打てていなかった。犠飛でもいいから、走者をかえすことだけを考えました」。投打で勝利に貢献した。
青木監督は「この暑い中でこれだけやれる。持っているものはある。(明石商とは)しのぎあい。追いつかれても追い越されなかったのが大きかった」と振り返った。
17年以来となる春夏連続甲子園出場まであと3勝。背番号『9』の二刀流が聖地へ導く。