日本航空 投打躍動で聖地切符 校内大規模クラスター 練習再開は大会1週間前
「高校野球山梨大会・決勝、日本航空2-1富士学苑」(23日、山日YBS球場)
13年ぶりに聖地への切符をつかみ取った。日本航空が富士学苑を2-1で下し、6度目の優勝を飾った。先発のバデルナ・フェルガス投手(3年)が7回1失点の好投。打線は4番・和泉颯馬外野手(3年)が決勝打を放つなど、投打の中心選手が躍動した。
「学園が終わるのかと思いました。心苦しかった」と豊泉啓介監督(36)。日本航空は6月に学校内で大規模なクラスターが発生。野球部も一時活動停止となり、練習も満足にできなかったという。それでも選手たちは諦めなかった。寮の自室で体幹トレーニングを行うなど、夏へ向けて気持ちを切らさなかった。
徐々に練習を始め、大会約1週間前にようやく全体練習を再開。春の関東大会以降の練習試合はゼロ。実戦を積めない中で、豊泉監督は「一戦一戦、勝ち上がるごとに上げていこう」と選手を鼓舞し続けた。
決勝戦前夜にはインターハイ予選を辞退した他のクラブから激励のメッセージが届いた。久米次陸士主将(3年)は「大会を辞退しているクラブがある中で出させてもらって、感謝の気持ちでいっぱい」と言葉を紡ぎ、甲子園に向けて「チーム一丸となって、一球に気持ちを込めてやっていく」と意気込んだ。恩返しの夏はまだ終わらない。