高知・森木 感謝の奮投 悲願の聖地へ 28日・因縁の明徳に2年前の雪辱果たす
「高校野球高知大会・準決勝、高知10-3高知中央」(26日、春野総合運動公園野球場)
高知の最速154キロ右腕・森木大智投手(3年)が今大会初の先発マウンドに上がり、7回3失点。打線の援護もあり、28日の決勝に駒を進めた。相手は春のセンバツにも出場した明徳義塾。2年前の夏の決勝で敗れた相手にリベンジを果たし、甲子園切符をつかむ。
3点リードを許していた四回2死満塁。1番・有田爽輝内野手(3年)の2点適時打が飛び出すと、ベンチ横でキャッチボールしていた森木は、大きく両手を掲げた後、少し視線を落とした。
援護をくれた仲間への感謝、一発勝負の重圧。いろんな感情が交ざり「少し涙が出てしまった」。エースの涙に仲間たちがざわめく中、「チームのために自分がもっとやらないと」と気持ちを切り替えた。
初回に152キロで三振を奪うなど好発進したが、二、三回と失点。「(結果を)欲しがってしまった」。逆転後は4回を無失点に抑えてコールド勝ちを呼び込むも「ギアを上げたいところでしっかり上げられるようにしたい」と課題を口にする。
この日は9球団19人のスカウトが視察。スカウト陣のスピードガンでは最速153キロを記録した。ヤクルトの小川GMは「能力の高さを改めて確認できた。総合的にはもう少し」とさらなる潜在能力に期待を寄せ、阪神の山本スカウトは「ドラフト1位でないと取れない」と言い切った。
悲願の甲子園まであと1勝。相手は1年夏の決勝で苦い思いをさせられた明徳義塾だ。「全員で、全力で勝ちにいく姿勢を貫く」。一人ではない。「最高の仲間」と頂点をつかみ取る。