広島新庄 春夏連続の甲子園に王手 激闘3時間2分、春王者の意地で逆転サヨナラ
「高校野球広島大会・準決勝、広島新庄8-7西条農」(30日、しまなみ球場)
3時間2分の激闘を制した。広島新庄が終盤の集中打で逆転サヨナラ勝ち。春夏連続の甲子園出場に王手をかけた。宇多村聡監督(34)は「選手が素晴らしいの一言ですね」と諦めずに最後まで戦ったナインをたたえた。
試合を決めたのは5番・藤川蓮外野手(3年)のバットだった。7-7の延長十二回。2死から四死球で一、二塁となった。「何とか決めてやると思った。延長で厳しい展開だったので、終止符を打てて良かった」。快音を響かせた打球はライトの頭上を越える決勝打。仲間からの祝福を受けた打のヒーローは喜びを爆発させた。
苦しんだ一戦だった。先発のプロ注目右腕・花田侑樹投手(3年)は制球が乱れ、三回途中で降板。2番手の西井拓大投手(3年)も打ち込まれ、この回打者一巡10人の猛攻で一挙に5点を失った。「ズルズルいくと怖いと思ってスイッチした。あそこは私の継投ミスだった」と宇多村監督。それでも「元気を出して自分たちらしく粘り強く、しぶとくいこう」と監督自らも大きな声を張り上げ、選手を鼓舞。六回から再登板した左腕・西井が好リリーフを見せて流れを引き寄せると八回には4安打を集めて同点に追いついた。
春王者の意地を見せ、見事に決勝の舞台に駒を進めた。「選手たちでつかんだ勝ちだと思う。祇園北は非常に勢いあるチーム。勢いに負けないようにしたい」と指揮官。残り一戦に持てる力全てを注ぎ、5年ぶり3度目の夏の頂点に立つ。