大野雄大「最後に会った時に約束していた」金メダルを天国の木下投手へ掲げる
「東京五輪・野球・決勝、日本2-0米国」(7日、横浜スタジアム)
侍ジャパンが公開競技だった1984年ロサンゼルス五輪以来、37年ぶりの金メダルを獲得した。
表彰式ではひとりひとりにメダルが渡されたが、他の競技と同じように、新型コロナウイルスの感染対策で隣りの選手がそれぞれの選手の首にかけた。
多くの選手がカメラに向かってポーズを作る中、栗原陸矢外野手(ソフトバンク)からメダルをかけてもらった大野雄大投手(中日)は金メダルを見つめた後に天に掲げ、小さくうなずいた。
大野雄は表彰式後、この行動について、3日に27歳の若さで亡くなった中日・木下雄介投手に向けて行ったことだったと明かした。大野雄は「木下に最後に会ったのは残留練習の時。その時に『大野さん金メダルとったら見せてください』と約束していたので。それで、あいつに報告できたので良かった」と語った。
今大会の登板は1試合だったが、この日もブルペンで肩を作り準備を続けていた。「今日も登板があれば、あいつのことを思って投げたでしょうし。なかなか受け入れられないけど、前を向いてやっていくしかないので」。ショックをにじませながら、苦しい胸の内を明かした。
この行動にはネットでも中日ファンを中心に反応。悲しみが広がっており「きっと、そういう意味なんだよな」、「何かを伝えている感じだった」、「絶対に届いていると思います」などの声があふれていた。