侍 菊池涼&坂本 あうんの呼吸でゲームセット 二遊間で無言のやり取り
正式競技となって以降では初の金メダルを獲得した野球日本代表「侍ジャパン」が8日、都内でメダリスト会見に出席。広島・菊池涼介内野手(31)は、金メダルを決めた最後のプレーで巨人・坂本勇人内野手(32)との息のあったやり取りなど、裏話も披露していた。
歴史的な1アウトを巡って、二遊間で無言のやり取りがあった。決戦から一夜明け、メダリスト会見に出席した菊池涼が笑顔を見せながら、ゲームセットの瞬間を振り返った。
「勇人さんがニコニコで、ベースカバーでここに投げろという顔をしていたので(ボールを)渡しました」
2-0の九回2死一塁、最後の打球は二塁手・菊池涼の前に転がった。危なげなく捕球し「自分で(二塁ベースを)踏みにいこうと思っていた」。だが最終的には二塁ベースに入っていた遊撃手・坂本にトスして歓喜の瞬間を迎えた。
先輩・坂本の顔を立てた菊池涼だが、メダル授与式後の記念撮影では、稲葉監督にも最大限の心遣いを見せた。「監督、コーチたちにはメダルがない。僕ので良ければ監督にかけてあげたいなって思い」。結束を呼び掛けた指揮官にメダルをかけたシーンが、侍の一体感を象徴していた。
ウイニングボールをつかんだ坂本は「初戦は大事だと思っていた。いいものを福島の人に見せられたのかなと思います」と復興五輪の象徴として行われた福島でのドミニカ共和国戦に言及した。おのおのが強い思いを持って臨んだ五輪。“金メダル二遊間”はいったん解散し、次はペナントレースで相まみえる。