異色左腕バデルナ完封一番乗りで日本航空初戦突破 ハンガリーとドイツの血を持つ父と香港出身の母
「全国高校野球選手権・1回戦、日本航空4-0東明館」(10日、甲子園球場)
異色の左腕が今大会完封第1号となった。ハンガリーとドイツの血を持つ父と、香港出身の母を持つ日本航空(山梨)のバデルナ・フェルガス投手(3年)が、5安打5奪三振でシャットアウト。チームを16年ぶりの初戦突破に導いた。
仲間の好守に奮起した。六回2死一、二塁で中前にはじき返されたが、エドポロの好返球で本塁タッチアウト。「後ろが守ってくれたので、しっかり投げなきゃ」とスイッチが入った。七回以降は安打を許さず。スコアボードにゼロを並べた。
今春の関東大会でセンバツ王者の東海大相模相手に3失点で完投勝利。一役脚光を浴びた直後、不調に陥った。今夏の山梨大会ではエースナンバーを譲ったが、「甲子園に行きたいという気持ちがあった」と前を向いた。
13年ぶり6度目の夏切符をかけた山梨大会決勝は先発して7回1失点。豊泉啓介監督(36)から「制球力があって計算できる投手」と認められて今大会から再び背番号1を託され、最高の結果で期待に応えてみせた。
日本語と英語を操るなど語学堪能で学業も優秀ながら、将来の夢にはプロ野球選手を掲げる。初の聖地のマウンドに「思ったよりでかくてビビった」とはにかんだエースが、この夏の主役に名乗りを上げた。