沖縄尚学・当山 27人完封!わずか2安打、無四球12K 沖縄勢100勝決めた!
「全国高校野球選手権・1回戦、沖縄尚学8-0阿南光」(16日、甲子園球場)
1回戦4試合が行われた。沖縄尚学は当山渚投手(3年)の力投で阿南光(徳島)に完封勝利。これが沖縄勢の、甲子園通算100勝目となった。
沖縄県勢100勝のメモリアルは、左腕の快投でもたらされた。沖縄尚学の当山は阿南光を残塁なしの27人で片付け、被安打2、12奪三振、無四球で完封。1999年にエースとして、2008年に監督として春を制した比嘉公也監督(40)は「何とか県勢100勝目を勝ち取りたいという思いがあった」と“満願成就”を喜んだ。
県勢初勝利は本土復帰前、1963年夏の首里。その5年前の58年夏に甲子園初出場を果たした首里の選手たちが持ち帰った聖地の土は「外国の土」と見なされ、植物防疫法により沖縄到着直後に海に捨てられた。
立役者の当山は、昨秋の沖縄大会初戦直前、左肘遊離軟骨除去手術を受けた。「申し訳なさと情けなさで、どうしていいか分からなかった」という当山に、手術を勧めた比嘉監督は「夏を見据えて。焦るなよ」と声を掛け続けたという。
当山がボールを再び握れたのは昨年12月。地道なリハビリと走り込みで下半身の安定度が増し、沖縄大会で登板4試合を無失点に抑え、甲子園でも「0」を9個並べた。当山は「素直にうれしいが、次がまたある。チームが勝てる投球をしたい」と意気込む。この夏、沖縄の新たな歴史を、その左腕で積み重ねていく。