【メジャースカウトの眼】自分で回転を操作できる専大松戸・深沢君
「全国高校野球選手権・1回戦」(16日、甲子園球場)
夏の甲子園が2年ぶりに幕を開けた。49校の熱戦に、スカウトたちもスタンドから熱視線。今大会もカンザスシティ・ロイヤルズの大屋博行国際スカウトがメジャーの視点から金の卵を分析する。
◇ ◇
センバツにも出場した専大松戸(千葉)の深沢君は、自分で回転を操作できる高い技術がある。普通は気負うと思わぬ回転がつくのだが、彼は力んで回転を乱すことがなく、常にアンダーコントロールの状態で狙い定めたところに投げられる。
特にカーブ、チェンジアップは精度が高い。そこにスピンの効いたストレートが来るので、打者はストレートを待っていても振り遅れている。この技術は社会人並み、むしろプロに近いレベルだ。
阿南光(徳島)の森山君はまだ2年生だが、各球団のエリアスカウトが逃したくない投手だろう。182センチ、82キロと高校生としては申し分ない体格で、しかも貴重な左。179球を投げたスタミナも魅力だ。一球一球はまだ甘いが、将来プロで投げているイメージが湧く。
彼のようにガシッと大きな投手は打者のドアスイングのように腕や胸が一緒に出てくることが多い。しかし、彼はギアが入ればしっかり腕を振り、肘をしならせて投げている。不器用そうで実は器用なのだろう。しっかり技術を身につけさせたい素材だ。