日本ハムOB 岩本勉氏「ファンを無視」「ルール作ろう」中田移籍で覚悟の訴え

 巨人・中田翔
 岩本勉氏
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 日本ハムOBで野球解説者の岩本勉氏が、23日に放送された文化放送「岩本勉のまいどスポーツ」に出演。同僚への暴行行為で出場停止処分を受けた中田翔内野手が、日本ハムから巨人に移籍した件で持論を展開した。

 岩本氏は16日の同番組の放送では、この一連の話題について「日本ハムから処分、今後の方針をまず発表している。OBとして言及することはない」と静観する姿勢を示していた。だが、巨人に移籍したことで「4つ思うことがある」と語り始めた。

 ひとつ目は古巣の日本ハムに対して、「これは監督か球団社長、中田が同席して会見を開くべきだった。これは大ごとなんですよ。被害を受けた選手は大ごとにしたくない。その気持ち、分かる。ただ世に公表した時点で大ごと。公の場で何か発しないと」と、批判的な意見を投げた。

 その理由も説明。高校野球で暴力事件があった場合に出場停止となることや、かつて巨人・ガルベスが審判にボールを投げた際に長嶋監督が丸刈りにした例などを挙げ、「(日本ハムは)けじめが必要だった。うやむやにすることは絶対に良くない。ファンありきのプロ野球で、ファンを無視しているんじゃないですか」と語った。

 2つ目の思いは巨人に向けた。「ジャイアンツからすると(移籍の)打診があって、すべてルールがクリアできて出場できるなら、優勝争いで最高においしい。選手としては魅力があるから、うちが引き取ろうとなるさ」と理解する一方で、中田を巡るさまざまな報道について「美談を作ってオブラートにすることはしなくていい。美談じゃなく厳しい目も持っておくべき。優勝してビールかけあったとき、どういう面でビールかけするんですか。まだケジメがなってない」とした。

 3つ目はNPBへ。日本ハムから出場停止処分を受けていた中田が、移籍直後に出場していることに「『日本ハムからトレードで出るんで解除します』『OKです』受理する?ルールを作ろう。ルールがないんだもん。世の中の声はNPBにも殺到しているはず。賛否の否のほうが。すべてに置いて中途半端。これは個人的意見ですよ」と訴えた。

 4つ目は中田に呼びかけた。中田とは付き合いがあるとして、「謝罪はすんでいると思っている。人としてあかんぞと」とあらためて忠告。そして、「野球をするチャンスをもらった。家族のためにバットを振れよと。これは彼にも連絡させてもらった。可愛い後輩だし。ファンに納得してもらうように変えていかないといけない」と語った。

 最後に、あらためて「びっくりした」と移籍のニュースを聞いた際の心境を口にし、「移籍?ファイターズからどんな会見あるか。なし?OBとして忖度(そんたく)とかじゃなく、野球人として意見を言わせてもらうが、ファンありきのプロ野球だということを棚にあげすぎ。誰に支えられている組織なんですか?やっていないことが多すぎる。世の中に示しがつかない、こんな素晴らしいプロ野球というスポーツで」と、野球愛、ファイターズ愛が強いからこその訴え。ファンの批判的な意見がいまだ多いこともあって「各電子ニュース、バンバンいってくれ」と、覚悟を示した。

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