高松商・浅野が22年へのろし弾 新主将に“指名”智弁和歌山に屈すも聖地帰還誓う
「全国高校野球選手権・3回戦、智弁和歌山5-3高松商」(24日、甲子園球場)
来秋のドラフト候補に挙がる高松商(香川)の浅野翔吾外野手(2年)が、4点リードされた六回に甲子園初本塁打を放った。チームは最終回に追い上げを見せるも智弁和歌山に敗れ、1970年第52回大会以来の夏8強入りはならず。大粒の涙を流した試合後には新チームの主将に“指名”された浅野。自身もチームも成長し、2022年夏に聖地へ戻ってくることを誓った。
おえつを漏らしても、涙があふれても、浅野はうつむかなかった。「もっと自分も成長し、いいチームになって、来年戻ってきたい」。試合後の会見、目を赤くしながらも力強く誓った。
強烈な一発で聖地に確かな爪痕を残した。4点リードされた六回1死走者なし。「狙っていた」という智弁和歌山・中西聖輝投手(3年)のスライダーを振り抜き、高校通算35本目の本塁打を左翼席へ放り込んだ。今秋のドラフト候補にも挙がる右腕を攻略し、存在感を示した。
中学時代、U-15日本代表の主力として活躍した逸材だが、入学時には“洗礼”も浴びた。同じチームで2学年上の主力・松田光稀投手(当時3年)との初対戦。「インコースにズバッと決められて三振。これが高校野球のレベルなのか」。インコースを打つための練習は今でも欠かさない。おごることなく、謙虚に成長を追い求めている。
試合後の会見では、長尾健司監督(50)から「チームに翔吾についていこう、と思いがある」と、新チームの主将に“指名”された。浅野本人も「やりたい気持ちはあります」と受諾する構えだ。
この夏は2番打者として出場し「つなぐ意識が出るようになって本塁打が増えた」と、新たな発見もあった。次に目指すのは心の成長。主将として聖地に戻ってきてみせる。