近江・山田陽翔 “最高の相棒”と目指した頂点「先輩の分も背負って来年も」
「全国高校野球選手権・準決勝、智弁和歌山5-1近江」(28日、甲子園球場)
相手の校歌が流れる間も、近江(滋賀)の山田陽翔投手(2年)は涙が止まらなかった。ノーゲームとなった19日を含めて今大会6度目の先発マウンドで、6回2/3を9安打4失点。「自分の力不足で負けてしまった」とあふれたのは悔しさだけだった。
旧知の仲の先輩と頂点を目指していた。女房役の島滝悠真捕手(3年)とは小学校時代もチームメート。当時は山田が捕手で島滝が投手だったが、「高校でもスッとバッテリーになれた。ジェスチャーとか大きくしてくれて」と違和感なくコンビを再結成できた。
あうんの呼吸はこの日も健在。五回1死満塁の場面は「長くやっているので、たぶん通じ合っているところがあった」。サインは予想通り、直球主体の配球。空振り三振と一邪飛に仕留め、グラブをポンとたたいた。
思い描いたフィナーレにはあと2勝足りなかった。「僕が先輩たちの分も背負って、来年も(甲子園に)戻って来て戦いたい」。2年生ながら投打の柱。必ず全国制覇の景色を届け、最高の“相棒”に恩返ししてみせる。
◆山田 陽翔(やまだ・はると)2004年6月9日生まれ、17歳。滋賀県出身。右投げ右打ち。投手兼外野手。174センチ、75キロ。小1から治田西スポーツ少年団で野球を始める。栗東西中では大津瀬田ボーイズに所属。近江では1年夏からベンチ入り。最速146キロ。