阪神が首位陥落で大混戦のセ・リーグ 3球団の争い抜け出すカギは?

 阪神が29日の広島戦で敗戦。痛恨の3タテを食らい、4月4日から守り続けた首位から陥落した。巨人が首位、ヤクルトが2位、阪神は一気に3位転落となった。

 6月18日には阪神と巨人のゲーム差は「8」あった。だが、五輪の中断期間を除けば、約1カ月半で順位が入れ替わる事態となった。

 ただ、巨人OBでデイリースポーツ評論家の関本四十四氏は「巨人も決してチーム状態は良くない。ヤクルトは今、投打のバランスが一番いいように思うが不安要素もある」と指摘。抜け出すカギはどこにあるのか、各球団ごとに見ていく。

 【巨人】

 7月は5勝6敗、8月は7勝5敗2分け。8月はチーム打率・219と低迷しており、原監督も打順も組み替えながら試行錯誤している状況だ。

 関本氏「攻撃陣は期待していた助っ人が退団し、丸も調子の波が目立つ。今年は相手との相性を見ながら打順を組み、足を使いながら1点を奪う戦いをしていくしかないかもな。投手はリリーフの層は厚いから、先発陣がいかに試合を作るか。菅野はもちろんだが、心配なのは山口の状態。ここ2試合の内容があまり良くないので、首脳陣も困っているはず。柱のひとりである山口まで崩れるようだと、苦しくなる」

 【ヤクルト】

 7月が7勝3敗1分け、8月は5勝3敗2分けと2カ月連続の勝ち越しを決めている。特筆すべきは課題だった投手陣。6、7月は3点台中盤だった防御率が8月は月間2・12と安定感を誇る。29日のDeNA戦では、今季2度目の先発となった原樹里が7回無失点と快投した。

 関本氏「村上、山田の主軸に助っ人、塩見やベテラン青木と攻撃陣の安定感はナンバーワン。投手陣も整備されてきた。ただ、阪神に3勝10敗、巨人に5勝8敗と相性が悪いんだよな。奥川ら若い投手陣が直接対決でどこまで対抗できるか」

 【阪神】

 7月は5勝8敗と負け越し。8月も7勝8敗と波に乗ることができない。6月は2点台だったチームの月間防御率は7月が4・05、8月も3・98とピリッとしない。

 打線は29日にスタメン落ちした佐藤輝は25打席ノーヒット。大山も打率・236、得点圏打率・196と中軸を打つには厳しい数字が並ぶ。

 関本氏「出塁率の高いマルテが戻れば、得点力はある程度は期待できる。カギは投手陣、特にエース格の西勇が復調できるか。シュート系の球にキレがなく、コンコンと打たれて主導権を奪われる試合が目立つ。カード頭でピシャッといい投球をすると、雰囲気も盛り上がるのではないか」

 リーグ3連覇を目指す巨人に対し、ヤクルトが勢いに乗って優勝した15年の再現をするのか。それとも阪神が、「失速の虎」のイメージを覆すことができるのか。三つどもえのペナントレースに注目が高まりそうだ。

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