西日本工大・隅田13K 圧巻のドラ1候補に阪神・前田スカウト「即戦力で通用する」
「九州地区大学野球選手権、長崎国際大9-6西日本工大」(4日、別大興産スタジアム)
九州地区大学野球選手権北部地区ブロック大会が開幕し、西日本工大は延長10回タイブレークの末に長崎国際大に敗れたが、今秋ドラフト1位候補の最速150キロ左腕・隅田知一郎投手(4年・波佐見)が7回2安打無失点13奪三振の快投。視察した12球団25人のスカウトの前でさらに評価を高めた。
球審のストライクコールがテンポ良く響く。目を奪われるような軌道の直球と多彩な変化球を織り交ぜて魅せる圧巻の奪三振ショー。「結果には満足していないですけど、最低限の投球はできました」。今秋ドラフト1位候補の隅田が、12球団のスカウト陣に圧倒的な力を誇示した。
ことごとく相手打者のバットが空を切った。投球練習をしているかのようなリズムで投げ込み、5者連続を含む13奪三振。「足を上げてから着地までは参考にしています」というDeNA・今永をほうふつとさせる球の出どころが隠れるフォームで、この日は最速148キロをマークした。チェンジアップなどの抜き球も直球と同じ腕の振りで投じ、相手打者は何度も首をひねって打席を去った。
ネット裏のスカウト陣も舌を巻いた。阪神は3人態勢で視察し、担当の前田スカウトは「変化球が多彩で直球もスピード以上に手元でくる。即戦力で通用すると思う」と絶賛。巨人・榑松スカウト部次長も「投球センスが抜群。素晴らしい投手」と称えた。
6月の全日本大学野球選手権の上武大戦で14三振を奪って名を広めたが、8回1失点ながらソロ被弾で敗戦。「糧にしなければいけない」と大会後は“力強い直球”をテーマにブルペンで投げ込み、最速150キロを誇る直球にさらに磨きをかけた。
「1位で行きたいと意識して」と、1日にプロ志望届を提出した。「いろいろな人から『頑張れ』と言ってもらえるので力に変えたい」。今後も猛アピールを仕掛け、10月11日のドラフト会議で1位指名の称号をつかむ。