「プロ野球志望届」が締め切り 西日本工大・隅田1位競合か【10・11ドラフト特集】
日本高野連と全日本大学野球連盟は27日、プロ入りを希望する選手に義務づけている「プロ野球志望届」の提出期間を締め切り、高校生159人、大学生139人が提出した。10月11日のドラフト会議で、社会人、独立リーグの選手とともに指名を待つ。上位候補と目される逸材を中心に、ドラフト会議の展開を占う。
今年は大学生や社会人の左腕が粒ぞろいだ。西日本工大・隅田は今春の全日本大学選手権・上武大戦で8回1失点14奪三振。巨人・榑松スカウト部次長が「ピッチングセンスが抜群でフォームのバランスも良く、完成度が高い」と話すように各球団が評価を上げており、1位競合となってもおかしくない。
社会人ではJR東日本・山田も存在感が増してきた。昨年まで伊藤将(現阪神)らの陰に隠れていたが、エースとして一本立ち。最速153キロで高卒3年目と若さも魅力だ。
春から注目度が高かった大学生左腕では、筑波大・佐藤隼が秋季リーグ初戦で右脇腹を痛めて戦列を離れ、関学大・黒原は調整遅れで秋季リーグではいまだベンチ入りせず。ただ、最後のアピールが足りていないとはいえ、素材は一級品だ。
高校生には将来のエース候補となりうる右腕がそろう。最速152キロの市和歌山・小園は完成度が高い。同154キロの高知・森木は甲子園に出場できなかったが総合力は申し分ない。ノースアジア大明桜・風間は“世代最速”の157キロを誇る。
1位入札が予想される“ビッグ3”に次ぐのは、天理・達、中京大中京・畔柳と今春センバツ4強に貢献した両右腕か。
高校生の野手では高校通算70発の千葉学芸・有薗、同56発の昌平・吉野、同43発の市和歌山・松川と右のスラッガーに注目が集まっている。
今年もコロナ禍が各球団のスカウト活動に影響している。関西国際大・翁田が所属する阪神大学リーグは今秋、スカウトの入場が認められず。上武大・ブライトらが挑む関甲新学生リーグは、10月2日にようやく開幕を迎える。クラスターが発生した法大にいたっては、ドラフト直前の同9日(第4週)から東京六大学秋季リーグ戦に参戦する。
各球団は視察機会が限られており、補強ポイントに合致すれば、思い切った指名に踏み切る可能性は十分ある。