稲葉監督、退任会見で2度涙 今後未定も「野球に興味を持つ子供増やすことできれば」
東京五輪で野球日本代表「侍ジャパン」を金メダル獲得へ導いた稲葉篤紀監督(49)が30日、都内のホテルで退任会見を行った。17年7月、代表監督に就任。約4年にわたって代表を指揮し、この日、任期満了を迎えた。
仲間、家族への感謝の思いが涙となりあふれ出る。支えてくれた人々へ感謝を述べた稲葉監督。「最後に最大の理解者であった妻、子供たちに心からの感謝を伝えさせてください」と話すと、家族への思いに感極まり涙。「本当にありがとう」と言葉を絞り出した。
歓喜と苦難の4年間。17年に初陣のアジアプロ野球チャンピオンシップを制すと、19年・プレミア12も優勝。だがコロナ禍で五輪が1年延期になる異常事態に「難しかった」と振り返る。
それでも金メダルにつながったのは4年間で培った選手との結束力。巨人・坂本、ソフトバンク・甲斐らのビデオメッセージが流れると再び涙で頬をぬらし、DeNA・山崎から花束を手渡され満面の笑みを浮かべた。
会見前には準備の大切さを説いたヤクルト時代の恩師・野村克也氏の墓前で「金メダルの報告と、感謝の気持ちを伝えた」という。今後は未定ながら「野球に興味を持つ子供を増やす活動ができれば」と話す心優しき指揮官は、大きな足跡を残して日の丸のユニホームに別れを告げた。