元ロッテ・渡辺俊介監督が歓喜の涙 日本製鉄かずさマジックが都市対抗へ「力が抜けた」
「都市対抗野球南関東二次予選・日本製鉄かずさマジック9-2JFE東日本」(3日、ZOZOマリンスタジアム)
元ロッテの渡辺俊介監督(45)が率いる社会人・日本製鉄かずさマジックが、3年ぶり13回目となる都市対抗野球本戦への出場を決めた。渡辺監督は就任2年目で初となる本大会の切符を手にした。
勝利の瞬間の姿が、苦しかった日々を物語る。試合終了の瞬間、コーチらと喜びを分かち合うと、その場にしゃがみ込んで涙。「平気な顔をして立ってようと思ったんですけど、力が抜けちゃいました」と振り返った。
悔しさからはい上がった1年間の成長を象徴する一戦だ。昨年の予選では創部1年目のハナマウイに敗れて予選敗退。渡辺監督も「去年負けたときが一番(心が)折れそうだった。あの時が一番つらかった」と話す。
その一戦に登板したドラフト候補右腕の先発・山本が、この試合では序盤に点を与えず4回2/3を2失点で流れを作ると、五回途中から登板の2番手・橘も好投。攻撃陣は13安打9得点。9月30日の準決勝で大敗したJFE相手に完勝し、本大会への出場を決めた。
屈辱の敗戦からハードな練習を課してきた中、今夏は新型コロナの陽性判定者がチーム内に出た影響で日本選手権予選を辞退する不測の事態もあった。ただ、渡辺監督は「その分強くなったし、それがここで出た。戦うたびに強くなっている」とたくましく成長した選手らをたたえた。
選手、そしてコーチ時代にも都市対抗出場を果たしている渡辺監督だが「(喜びは)全然違いますね」という。監督として初めて挑む東京ドームでの大舞台。「ここからさらに成長した姿を見せたい」と話す顔に、晴れやかな笑みが浮かんだ。